六本木、通称星条旗通りの入り口右側にある「国立新美術館」をご紹介します。
よく「新国立美術館」と呼んでいる人がいますが、この美術館は「国立の」「新しい」「美術館」ですから「国立新美術館」です。
日本には、国立美術館が6つあります。
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立西洋美術館、国立国際美術館、そして国立新美術館の6つです。
1977年、東京大学生産技術研究所跡地に建設された美術館で、地下1階、地上4階、敷地面積30,000平方メートル、延床面積47,960平方メートルは日本最大で、これまで最大とされていた大塚国際美術館(徳島県鳴門市にある大塚製薬が建てた美術館)の約1.5倍に相当します。
実は、この美術館はコレクションを持たないため、英語名は収蔵品を持つのが通常であるミュージーアムではなくアートセンターを用いて「THE NATIONAL ART CENTER-TOKYO」と名乗っています。
ただ、ナショナルギャラリーという名称になれば、海外から来る観光客が、ワシントンD.C.のナショナルギャラリーやロンドンのナショナルギャラリーと同様の美術館施設と勘違いして来館するおそれがあると「ナショナルギャラリー(仮称)」の名称は使わず、名称を公募した結果「国立新美術館」という名称に決定したという経緯があります。
美術館の名前を決めるだけでも、紆余曲折があったようですね。
ちなみに、黒川紀章設計の美術館としては最後のものとなりました。
この美術館の重要な役割として、東京都美術館で開催してきた公募団体展や首都圏の公立美術館で開かれてきた企画展を吸収するというミッションがあります。ですから、お友達の書道展や展覧会などで、この美術館に行かれた方も多いのではないでしょうか。
また、もう一つの重要な役割として、国内各地・国外の、過去・現在・将来に至るあらゆる展覧会に関する図録などの情報を収集・研究し、来館者やウェブサイト訪問者に公開する情報収集・公開機能というものがあり、図録・研究書類はライブラリに収められ来館者も閲覧でき、現在開催中や近い将来の展覧会に関しては、ライブラリに併設された「コモンズ」という名の場所でポスター閲覧・チラシ集めなどの情報収集ができます。また、過去の日本の展覧会カタログを網羅的に多数所蔵しています。
すぐ近くに、ドラマ「相棒」でロケに使われた紅茶専門店「デンメアティーハウス六本木店」がありますので、美術館のあとは、ここで一服するのも楽しいでしょう。